オンライン講座を作ったけれど、「いくらで売ればいいのか分からない…」そんな悩みを抱えていませんか?
価格のつけ方ひとつで、売れ行きも、リピーターの数も、あなたの収益も大きく変わります。
この記事では、無料・低単価・高単価・サブスク(月額制)といった主要な価格設定のタイプごとに、それぞれのメリット・デメリット、向いている講座タイプ、実際の販売戦略まで詳しく解説します。
「どの売り方が自分の講座に合っているか分からない」「価格を決める自信がない」という方でも、この記事を読めば、自分に合った価格戦略の方向性が見えてきます。ぜひ最後までご覧ください。
オンライン講座の価格設定、まず押さえておくべき基本方針
価格は「価値」と「戦略」で決まる
オンライン講座の価格は、単に「どれだけ手間がかかったか」では決まりません。むしろ大切なのは、顧客がどれだけの価値を感じるかという視点です。たとえば、あなたの講座が「英語が話せない人を、1ヶ月で海外出張できるレベルに変える」ものであれば、数万円〜数十万円の価値があると感じる人もいます。
また、価格は「戦略」でもあります。あえて無料で見込み客を集める戦略もあれば、高単価で少人数に深く価値を提供する戦略もあります。重要なのは、自分の講座の役割とビジネス全体の導線の中で、価格がどんな位置づけになるかを考えることです。
原価ではなく「顧客の変化」に着目する
初心者がやりがちな間違いは、「制作に3時間かかったからこのくらいかな?」と原価ベースで価格を考えてしまうことです。ですが、オンライン講座は“情報”を売るビジネス。利益率が高い分、価格は時間やコストではなく、どれだけ顧客が変化できるかで決まります。
「たった1時間の講座でも、人生が変わった」という感想が出るなら、それは高単価で売るに値する商品です。逆に、10時間かけて作ったとしても、「結局何が学べたか分からない」という内容では、無料でも売れません。価格設定は、「講座を受けた人がどう変わるか?」という視点で考えるのが基本です。
売り方によって価格の許容幅が変わる理由
同じ内容でも、「どこで・どうやって売るか」によって、適切な価格帯は大きく変わります。
たとえば、Udemyのようなプラットフォームで販売する場合、多くの講座が1,000〜2,000円で売られているため、高額商品は売りにくい傾向があります。一方、自社サイトで信頼関係を築いたうえで販売するなら、数万円の商品でも購入されやすくなります。
また、一括払い(単発販売)か、分割やサブスク(月額課金)かによっても、顧客の心理的ハードルが変わるため、価格の付け方も調整が必要です。価格は「講座の中身」だけで決まるのではなく、「売る場所と方法」もセットで考えるべきなのです。
価格帯別の特徴と向いている講座タイプ
① 無料講座|信頼構築・リスト獲得が目的
無料講座は、収益を目的とするというよりも、「見込み客との関係づくり」のために使われることが多いです。特にオンライン講座初心者やまだ知名度が低い場合は、「まず無料で体験してもらう」ことで信頼を得ることが重要です。
無料でも「有料級」の内容を提供すれば、講師としての信頼が一気に高まり、次の商品への購入につながります。リスト獲得のためにLINE登録やメールアドレス入力を条件にするなど、フロントエンドの施策として非常に効果的です。
② 低単価講座(〜1万円)|母数を広げて見込み客を育てる
低単価講座は、商品単体で大きな利益を狙うのではなく、多くの人に講座を届けて、ファンを育てることを目的に設計します。たとえば、3,000〜5,000円の講座は「少しでも興味があれば試してみよう」と思ってもらいやすいため、新規ユーザーの導入として非常に有効です。
この価格帯の商品で「価値がある」と感じてもらえれば、バックエンド商品の購入率(LTV)も高まりやすくなります。そのため、DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)との相性も抜群です。
③ 高単価講座(3万円〜10万円以上)|成果提供と深いサポートが前提
高単価講座は、「学び」というよりも**「変化」「成果」を提供すること**が前提になります。
価格が高くなるほど、受講生も本気度が高まるため、サポートや講師の関与が重要になります。動画だけで完結するというよりは、ワーク・添削・コミュニティ参加などをセットにして、トータルで成果を出す設計が求められます。
また、購入前に不安を解消するための「セールスページ」「動画説明」「保証制度」なども高単価では必須です。
④ サブスク型(月額制)|継続課金で安定収益を狙うモデル
サブスク型の講座は、月額3,000円〜5,000円程度で継続して学べるサービスとして人気があります。特徴は、何より「安定収益が積み上がる」こと。毎月自動で課金される仕組みのため、一定数の継続ユーザーがいれば、新規集客が多少落ちても事業が安定します。
ただし、注意点は「継続率の管理」です。単に動画を見放題にするだけではすぐに離脱されてしまうため、毎月のライブ配信・コミュニティ交流・新コンテンツの追加など、顧客が飽きない工夫が求められます。
単発販売とサブスク販売、どちらがいい?
単発販売のメリット・デメリット
単発販売とは、1つの講座を「買い切り型」で販売する方法です。例えば「3万円で動画講座を一括購入」といったスタイルがこれにあたります。
メリットは、一度の購入でまとまった収益が得られることです。特に高単価の商品であれば、少ない販売数でも大きな売上をつくれるため、初動でのキャッシュフロー改善にも役立ちます。また、成果やベネフィットが明確に伝えられれば、価値を一発で訴求しやすいのも特徴です。
一方でデメリットは、販売ごとに集客が必要になることです。リピート課金がないため、売上が「一発勝負」になりがちで、安定性に欠ける傾向があります。講座を売り続けるためには、広告やプロモーション、ローンチなどを繰り返す必要があります。
サブスク販売のメリット・デメリット
サブスク販売とは、受講生が毎月一定額を支払って継続的に学ぶ「月額課金モデル」です。最近ではコミュニティ型のサロンや、定期配信の講座などでもよく使われる形式です。
メリットはなんといっても、継続課金による安定的な収益が見込めること。毎月の売上がある程度読めるため、ビジネスの見通しが立てやすくなります。また、一度入会した受講生との接点が継続することで、長期的な関係性や信頼感を育みやすいという特徴もあります。
ただしデメリットは、「継続してもらう」ための仕組み作りが必須なことです。コンテンツがマンネリ化したり、価値提供が曖昧になると、すぐに解約されてしまいます。加えて、価格設定の難易度も上がります。月額3,000円にするのか、1万円にするのかで顧客層や期待値が大きく変わるため、提供内容とのバランスが非常に重要になります。
価格設定の成功事例と失敗事例
高単価でも「変化」が明確なら売れる
「高い講座は売れない」と思われがちですが、実際はその逆です。受講後にどんな“変化”が得られるかが明確なら、数十万円でも売れます。
たとえば、あるビジネス講座では「未経験から3ヶ月でフリーランス営業として案件獲得」という成果を提示。価格は20万円以上でしたが、目に見える変化と再現性のあるステップが明示されていたため、申込みが殺到しました。
重要なのは、価格の高さではなく**「この金額を払ってでも解決したい悩みかどうか」**という視点です。
低単価でも「目的」が曖昧だと売れない
逆に「手軽に始めてもらえるように…」と3,000円などで講座を出しても、誰の・どんな悩みを解決するのかが明確でないと売れません。
たとえば「マーケティングの基本講座」とだけ書かれていても、他にも似た商品が山ほどある中で、なぜこれを買うのかがわからないと選ばれないのです。
**低価格だから売れるのではなく、価格以上の価値が伝わるかどうかが鍵。**むしろ安いだけの商品は「それなり」と見なされ、逆効果になることもあります。
サブスク型でも「飽きさせない仕組み」がカギ
サブスク型でありがちな失敗は、「最初は入ってくれるけど、数ヶ月でどんどん離脱していく」ケースです。
例えば、動画コンテンツを一気に出しただけで更新が止まっていると、受講生は**「見るものがない」「参加している意味がない」**と感じてしまい、解約につながります。
成功しているサブスクの共通点は、継続した価値提供の仕組みがあること。たとえば、月1回のライブ配信、Q&Aコーナー、新しい教材の追加、コミュニティでの交流など、常に「次の楽しみ」がある状態を保つことで、解約率を抑えています。
あなたの講座に合った価格設定の見極め方
ターゲットの悩みの深さと緊急性を考える
価格設定をするうえで、もっとも重要なのは「誰に売るのか」を具体的に考えることです。
中でも意識すべきなのが、悩みの深さと緊急性。たとえば、「今すぐ転職したい」「子どもが来月受験」といった緊急性の高い悩みを抱える人は、多少高くても解決したいというモチベーションが強くなります。
逆に、「なんとなく将来のために知っておきたい」といった漠然としたニーズには、価格が高いと購入のハードルが上がってしまいます。
「高くてもすぐにでも解決したい」と思っている人を狙うのか、「気軽に試したい」という層に届けるのかによって、最適な価格帯は変わってきます。
ライバル商品と比較して、差別化ポイントを言語化する
同じテーマの講座がすでに多く出回っている場合、**「他と何が違うのか」**を明確に言語化することが価格設定のカギになります。
「この講座はここが違う」「だからこの値段でも価値がある」と伝えられれば、価格に納得感が生まれます。
たとえば、ライバルが初心者向けに広く浅く教えているなら、自分は「実践ワークに特化」「短期間で結果を出す」に振るなど、価格に見合う“尖った強み”を見せることが重要です。
価格の正当性は、単に「安い or 高い」ではなく、その内容と対象者に合っているかで決まります。
最初は価格より「売りやすさ」で試してみるのもアリ
「どの価格が正解かわからない…」と悩む場合は、まずは売りやすい価格で出して反応を見るのも1つの戦略です。
たとえば、3,000円前後の価格帯は、初めての人でも購入しやすく、テスト販売にも向いています。最初から高単価で完璧な商品を作ろうとするよりも、小さく売って反応を見ながら改良していく方が、結果的にヒット講座につながることも多いのです。
売れたら値上げ、反応がなければ見直し。この柔軟さこそ、個人や小規模事業者の強みです。
まとめ|価格設定に正解はない。大事なのは「検証」と「改善」
オンライン講座の価格設定に「これが正解」という絶対的な答えはありません。無料で見せて信頼を得る方法もあれば、高単価で少人数に深く届けるやり方、サブスクで継続的な学びを提供するモデルなど、どの方法にもそれぞれメリットと注意点があります。
大事なのは、自分のビジネスの目的やターゲットに合わせて「仮説」を立て、実際に売ってみること。そして、受講者の反応を見ながら、価格や構成、売り方を少しずつブラッシュアップしていくことです。
最初から完璧な価格をつけようとするのではなく、**「まず売ってみて、そこから学ぶ」**という姿勢が、オンライン講座ビジネスを成功させる最大の近道になります。
どんなに優れた講座も、適切な価格設定と売り方がなければ届きません。ぜひ、この記事をヒントに、あなたの講座に最適な価格戦略を見つけてください。